Nettle ネトル - 2015.11.23 Mon

菜園で育てているネトル。
Nettle ネトル
学名 Urtica dioica
英名 Nettle
和名 セイヨウイラクサ
科名 イラクサ科
ネトルは多年草で2mほどの高さまで育ちます。葉と茎には棘があり、触れると痒みや痛みを伴います。春から秋にかけて緑白色の雄花と薄緑色の雌花が咲きます。イラクサ属イラクサ科は世界中で自生していますが、日本国内で自生しているのはUrtica thunbergianaです。セイヨウイラクサ Urtica dioicaはヨーロッパ、北アメリカなどに自生しています。
味はほうれん草に似ています。ビタミンA、C、鉄、カリウム、マグネシウムを豊富に含みます。ネィティブアメリカン、ヨーロッパの人々はネトルを収穫し、お茶にしたり、布にしたり、料理に使ったりしてきました。ネトルスープは有名でイギリスじはじめヨーロッパの人々に親しまれています。
布としての歴史も古く、デンマークではBC2000頃、後期青銅器時代の墳墓からネトルの布に包まれた骨が発見され、
古代から布として、帆布として、漁網としてネトルが用いられました。その歴史は引き継がれ18世紀に至るまでネトルはデンマークで活用され続けます。ネトルの繊維は麻や大麻のようにとても強いので、デンマーク以外でも古くからネトルを用いて布が作られ、役立てられてきました。ネトルから作られた布は高級品だったそうです。
近代では第一次世界大戦時のドイツ軍の制服のおもな繊維はネトルでした。また、第二次世界大戦期のイギリスではカモフラージュ用のネットを染色するために100トンものネトルが消費されました。
メディカルとしての歴史も古く、古代ギリシャの医学者ヒポクラテスやガレノスはネトルを利尿と浄化のハーブと記しています。AD10世紀頃の写本Lacnunga ('Remedies') にもネトルはメディカルなハーブとして記されています。16世紀のハーバリスト John Gerardは解毒剤として、ニコラス・カルペパーはうがいや口腔内の感染症にネトルを用いたようです。
ユダヤ人は過越祭に5種類の薬草を口にしますが、その一つがネトルです。
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Valerian バレリアン - 2015.11.19 Thu

写真はPLUS SOLEILの菜園で育てているバレリアン
Valerian バレリアン
学名 Valeriana officinalis
英名 Valerian
和名 西洋カノコソウ
科名 オミナエシ科
バレリアンはヨーロッパ、北アジア地域に自生しています。多年草で1mほどの高さまで育ちます。房状になった淡いピンク色の小さな花をたくさん咲かせます。使用部位は主に根。
古代ギリシャ・ローマの時代からメディカルハーブとして使われてきました。古代ギリシャの医学者ヒポクラテス、ガレノスはバレリアンを不眠症のレメディーだと言及しています。中世ヨーロッパの修道院などで盛んに栽培され、天然の精神安定剤として使用されていました。また、第一次世界大戦の頃のイギリスでは兵士の弾薬恐怖症、空襲におけるストレス緩和に使われていたといわれています。第二次世界大戦の頃までバレリアンだけを栽培する農園があったそうです。
緊張による頭痛・不安、不眠を抑えるといわれています。
根を乾燥させると強烈な悪臭を放つことから、phu plant (phuは英語で悪臭で鼻をつまむときの感嘆詞)と呼ばれていました。異性を惹きつける催淫剤としても使われたそうです。現在でも魅惑的な香りの香水にはバレリアンが用いられています。
独特な香りを持つバレリアンですが、猫が大好きな植物の一つです。またたびと同じように、猫に与えると非常に喜び、酔っ払ったようになります。
眠りを誘うため、車を運転する場合などには使用に注意します。
乾燥した根を保存する場合、日が経つごとに強烈な匂いを放つので、密閉するなど注意が必要です。チンクチャーを作るときには、乾燥した根ではなく、生の根を使うと香りもマイルドになります。シトラス系やウッディ系のアロマオイルのブレンドを作る場合、バレリアンの精油をほんの少し加えると香りが引き立ちます。
ネトル食べくらべ祭り - 2014.06.11 Wed


写真はネトルのつやつやの新芽
あまり固いお話は面白くないので、今日は雑学ネタでいきます。しかしハーブのお話は固いお話が多い。ハーブのネタのストックがたまりすぎてるので、少しずつアップせねば。。
今日はネトルのお話。世界各地でほんとうにどうでもいいような催しがありますが、その中でもトップクラスを争うのではないかと思われるイギリス南部のDorsetで開催されるNettle Eating Championship ネトル イーティング チャンピオンシップ。ハーブのネトルをどれだけ食べれるかを競うという、本当にどうでもいいような、、がしかし、ささやかに盛り上がるお祭りです。
参加者は世界各地から集まり、ドイツやメキシコのテレビ局も取材にやってきていて、コンテスト開催中はJAZZバンドが演奏、さらに参加者、観衆ともに山盛りにされたネトルを前にしてビールも思いきり楽しみます。今年のコンテストは先日6月7日にあったばかり。
ハーブのことを勉強されたことあある方はご存知と思いますが、ネトルはビタミン、ミネラルなど微量栄養素がたっぷり含まれています。クエルセチン、ルチン、クロロフィル、B-カロテン、ビタミンC、ビタミンB、ケイ素、カルシウム、カリウム、鉄などが含まれます。利尿、浄血に優れたハーブです。花粉症などアレルギー疾患、痛風、リウマチの緩和に用いられます。
占星術師William LillyのChristian Astrologyによると、ネトルは火星支配のハーブとなっています。また、シュタイナーはネトルは、人間に対しても植物に対しても癒しの効果があると言及しています。
話がそれてしまいましたが、コンテスト参加者は飲み物片手にひたすらネトルを食べる、ちぎってはまた食べる。。。ビールで流し込んではまた食べる。。。しかしそんなに沢山食べれるもんではないですよね、ネトル、、、参加者の年齢は子供から、パンキッシュなお姉様、お年寄りまで幅広い。飲み物片手にひたすら皆ネトルを食べまくります。口の中は真緑!いやあ、きっと参加者たちはコンテスト後、血液はきれいになり、おしっこも沢山出て、心身ともにすっきりしていることでしょう!
ただいまうちのベランダでネトルの苗がすくすく育っています。畑に移植したあと元気に育ちますように。
動画は今年のcontest.